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ナデック通信

2017年6月号

社労士は経営者側?労働者側?の時代から、「その先」を目指す時代へ!

開業した当時は、「社労士さんって、どんな仕事なの?」とよく聞かれました。

さすがに社労士の認知度も少しは上がってきたのか、最近は減ってきましたが、まれに聞かれるのが「経営者向けの仕事なの?」「従業員向けの仕事なの?」という問いかけです。

もちろん、これに対しては「私たちは経営者支援の仕事をしています。基本的には従業員さんからの相談は受けておりません」というのが、率直なところでした。

社労士業界という目線で見ても、もちろん年金業務を専門としたり、労働者側の支援に携わる社労士の方もいらっしゃいますが、大半は経営者の側に立って業務を担い、企業などの顧問を引き受ける例が多いと思います。

ですから、新たなメンバーを迎える際には、「私たちは経営者の目線で仕事に向き合う存在だ」ということを強調して、認識を共有してきました。

私たちの業務にしても、会社を守るための就業規則づくり、労使トラブルへの対応、あるいは従業員と揉めないための事前対策といった視点で、トコトン社長や経営陣に寄り添う立場で仕事をしてきました。

もちろん、そのスタンスは、基本的には今でも変わりません。

「あなたたちは、どちらの立場で仕事をしているのか?」と問われれば、やはり私たちは経営者側に立って仕事をしています。

社労士も労使の間に立って紛争性のある業務に関与する限りは、労働紛争業務に携わる弁護士の方々がそうであるように、スタンスは明確でなければならないと考えます。
 
 
この点は、今も昔も一貫しています。
 
 
 
 
その上で、最近強烈に感じることがあります。

それは、私たちは、いつまでも「経営者VS労働者」という構図の中に身を置いて業務に向き合っていてはいけないということです。

私たちは、無意識のうちにも、「会社を守らなければならない」「ルール違反の従業員にはペナルティーを」「問題社員には会社を去ってもらうべき」といった思考回路で、ものごとを考えてしまっています。
 
 
経営者と労働者とは、お互いにどこまでも相容れない存在です。それぞれの立場が違う以上は、それは仕方がないことです。

社労士という外部の専門家の目線からしても、紛争性のある出来事について双方代理的な立場には立ちづらいことも、やむを得ないことではあります。

でも、だからといって、経営者の立場にのみ立って、ひたすら労働者と対峙していくことが最良の選択肢かといえば、そうだとは思わないでしょう。

経営者が本当に目指していることは、事業活動を通して社会に貢献していくことであり、事業に関わる従業員たちがともに成長し合う中で、幸せを分かち合っていくことだと思います。
 
 
経営者によって、業種業態によって、地域や規模によって、事業が目指す目標はそれぞれ違って当然ですが、究極の目的というのはやはりシンプルなところに行き着くものです。

その意味では、「経営者なのか?」「労働者なのか?」という二者択一もしくは二項対立の構図でものごとをとらえること自体が、行き過ぎだといえるのかもしれません。

経営者の立場からして、「労働者はこうあるべき」という価値観を押し付けることは、突き詰めると、人が人を変えようとしていることと同じです。

ごくごく一部の例外を除けば、人が人に影響を与えたり、感化することはできても、本質的に人が力によって人を変えることはできません。

むしろ、そのような考え方に立っている限りは、労使対立の構図を脱却することはできず、労働紛争の芽も摘むことができないのかもしれません。
  
 
 
 
ある人から、こんな話を聞いたことがあります。

「社労士が頑張ることによって、むしろ世の中を不幸にしている現実があるとしたら、あなたはどう思いますか?」
 
 
従業員を縛るルールをつくること、ルールを守らない従業員を排除すること、労使紛争から会社を守ること、相次ぐ法改正から経営を守ること・・・。

これらは、いずれも主に社労士が役割としていることばかりです。

いずれも間違いではないし、現実的に必要なことだと思います。

だから、頑張って会社を守る就業規則をつくる、ルールを守らない従業員に懲戒を与える、それでも改まらない従業員は解雇する、労使紛争が起こったらひたすら会社が勝てる展開を考える、法改正にあたっては会社の利益に立って運用する・・・。

これらの結果、もし世の中を不幸にしているのだとしたら、あまりにも悲しいことです。

でも、冷静に考えてみると、残念なことですが、必ずしもそうした見立てが的外れではないことに気づきます。

そして、多くの人たちは、もちろん心ある経営者の方々も含めてですが、あえて声に出すか出さないかはともかく、慧眼を持ってこうした本質を見抜いているのだと思います。

「会社を守る就業規則をつくってほしい」「問題社員を適法に辞めさせたい」。
 
 
社労士にはこんなニーズが毎日のように寄せられますが、業務に向き合っていると時代がじわじわと変わりつつあることをリアルに感じます。

「会社も従業員も幸せになれるルールをつくりたい」「レッテルを貼らずにすべての従業員と素顔で向き合いたい」。

こんなふうに考える経営者が、確実に増えつつあります。

よくよく考えてみれば、経営者に寄り添って、会社を守ることを考えることと、従業員それぞれと向き合って、みんなの幸せを考え行動することとは、まったく逆のことではないどころか、むしろ本質は同じなのだと思います。
 
 
社労士が専門家として頑張りたいあまりに、経営者に寄り添いたい思いが空回りして、意識しないうちに「会社を守る」という概念をとても狭い意味で考えているのだとしたら、結果的に「経営者VS労働者」という構図を助長しているのかもしれません。

従業員の幸せを考えない会社の発展はありえないし、会社が成長せずして従業員が報われることもない。
 
 
これが現実だとは思うのですが、私たちは無意識のうちに、経営者と従業員とを切り離して考える癖がついてしまっている。

まず社労士から、率先してこうした考え改めた上で、本質的に会社を守り、経営を後押しできる存在を目指していくべきかもしれません。
 
 
 
 
これからはAI(人工知能)の時代だと言われますが、10年単位でこれからの先行きを考えるなら、業種業態を問わずに間違いなく新たな時代が切り拓かれていくのだと思います。

今はメインで正社員がやっている仕事でも、いずれはAIが担うことになったり、あるいは非正規雇用が活用される流れに変わったりして、仕事の現場の風景は確実に変わっていくことになります。

そうすると、この変化は、間違いなく経営者と労働者との関係や、労務管理のあり方にも、大きな影響を与えていくことになります。
 
 
誇張を恐れずにいうならば、今までは経営者が会社全体の頭脳の役割を果たし、労働者は身体の随所に位置する器官や組織や細胞の機能を担っていたといえます。

もちろん、正社員や非正規雇用の違いや、幹部・ベテラン層や新人層といった差異はあったにせよ、基本的にはトップである経営者が打ち出した方針に基づいて、所属部署の業務に従事していくというのが一般的な組織論でした。

でも、これからの時代は、経営者=頭脳、労働者=器官・組織・細胞というステレオタイプな役割分担ではなく、あらゆる労働力が頭脳になりうるし、またそうあることが求められる方向へとシフトしていく可能性が高いと思います。
 
 
時代の移ろいや最初はゆっくりなようでいて、じわじわと確実に変化していくものであり、気が付いたらものごとが一変していた、ということは珍しくありません。

そういう意味では、器官・組織・細胞の相当の部分はAIもしくはそれが関わるチームによって担われることになり、人間(労働者)が果たすべき役割はそうしたAIの動きを管理したり、補完・修正したり、向上させていくための支援を行う時代が来る、という見立ても、まんざらおとぎ話でもないでしょう。
 
 
言い換えるならば、労働者(とりわけ正社員に代表される基幹的な人材)の役割は、従来は経営者や特定の管理層が担ってきたような頭脳(発想・創造・判断・調整・責任・・・)の部分へとウエイトが相当に傾斜していくことになるかもしれません。

大袈裟かもしれませんが、彼らは労働者ではあるもののプチ経営者でもあり、従来の経営者は役割が変化していく彼ら労働者に対して、今までような画一的な価値観による労務管理を行うことは難しくなっていく。
 
 
 
 
こんなふうに考えると、長い目で見えば、「経営者側か?」「労働者側か?」というパラダイムの時代から、さらに「その先」を目指す時代へと変化していくような気がします。
 
 
冒頭の問いかけですが、「経営者向けの仕事なの?」「従業員向けの仕事なの?」という質問に対して、最近は「経営者の支援を通じて、従業員の幸せを後押しする」仕事であり役割だと、答えることにしています。

「その先」の時代に向けて、社労士が本物の役割を果たせるように、しっかり取り組んでいきたいものです。

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