国家資格キャリアコンサルタントとは？

そもそもキャリアコンサルタントとは、どのような資格なのでしょうか。また、派遣会社にとっても必要なものなのでしょうか。

キャリアコンサルタントは、職業能力開発促進法の改正によって、２０１６年４月から制度化された国家資格です。所定の国家試験に合格し、厚生労働省に備えるキャリアコンサルタント名簿に登録された者以外は、「キャリアコンサルタント」の名称を用いることはできません。

「キャリアコンサルティング」とは、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」（職業能力開発促進法第２条第５項）をいいます。キャリアコンサルタントは、このような業務に関して、国が一定の資質や能力を有する者だと認めた資格だといえます。

２０１５年の派遣法改正で派遣会社に義務づけられた内容でキャリアに関するものとしては、キャリアコンサルティングの相談窓口の設置や、派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画があります。

キャリアコンサルティングについては、一定の職務経験や知見を有する者などが担当することもできますが、体系的な知識や技能を持つキャリアコンサルタントが担当することで、いっそうの効果を期待できるとともに対外的な信頼も確保できます。

キャリアプラン（職業生活設計）の作成、中長期目標及び短期目標の設定、能力開発・教育訓練などに関する情報提供なども、キャリアコンサルティングの一環とされていますので、派遣労働者の実態に応じてキャリアコンサルティングの経験を積んだキャリアコンサルタントの力を活用したいものです。

キャリアコンサルタント試験を受けるためには、厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者、キャリアコンサルティングの実務経験を３年以上有する者といった要件を満たす必要がありますが、実務経験がない場合は講習を受講することになります。

講習は３～４か月程度の期間となりますが、カリキュラムとしては、ロールプレイングをはじめとするキャリアコンサルティングを行うための技能訓練が４割以上も含まれています。こちらは実務にも直結するかなり実践的な内容だといえるでしょう。

余談ですが、筆者（小岩）もかつて実施された第３回の同国家試験を受験・合格し、国家資格キャリアコンサルタントとして登録しています。

人材サービス会社を支援する立場からも、つねづねキャリアコンサルタントの目線も大切にしていきたいと思います。