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ナデック通信

2019年
10月号

中小企業に求められる「職場のパワハラ防止策」は?

今年5月に「パワハラ防止法」(労働施策総合推進法)が可決・成立し、大企業では来年4月から、中小企業では再来年4月から施行される予定です。
法改正のこともあって、電車の社内などでもパワハラについて話題にしている人をよく見かけ、毎日のようにパワハラやセクハラが話題になっています。
従来セクハラについては男女雇用機均等法で定義や義務が規定されていますが、パワハラについては法律上のルールが存在しませんでした。
結果的にパワハラを受けながらも泣き寝入りするしかない例がたくさんあったことから、それらの人たちへの救済の意味も込めてパワハラ防止法がスタートすることになります。
 
 
 
 
パワハラ防止法によるパワハラの定義は、
① 優越的な関係に基づき
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動によって
③ 労働者の就業環境が害される

ことをいいます。
ただ、パワハラの場合はセクハラとは異なり、現場で発生する状況をこのような定義に当てはめるのが難しいケースも多いと思います。
 
 
 
よくある事例ですが、部下に対する指導が熱心な上司がいるとします。
その上司は、毎日のように部下を呼び出して指導し、個人の仕事ぶりに応じて対応していたとします。
このとき、部下のAさんは上司の熱心な指導を受け止めることができても、Bさんはパワハラだと認識するといったこともありえます。
例えば、多数の部下の中から抜擢して個性に踏み込んでコミュニケーションをとる指導に違和感を持つ部下もいるでしょうし、毎日のように残業して遅くまで指導するあり方にはさまざまな理解がありえます。
仕事熱心な人ほど自覚なくパワハラをしてしまっている例が多いといいますが、法律によって定義が置かれ、措置義務が施行される以上は、今までのような対応では不適切となるケースも多くなるでしょう。
 
 
 
 
具体的に何がパワハラに該当して、該当しないのかといった線引きは指針で示されることになっています。ただ、指針策定に向けての議論は審議会で始まったばかりですので、まだ内容は確定されていません。
しかし、来年以降に向けた企業としての対策はこの秋からもスタートしていく必要があります。
経営者や職場の上司はもちろん、よりよい職場環境にしたいと考える人にとってはこれから様々な対策が必要な時期ですね。
具体的には、相談窓口や教育といった社内体制のフローと、パワハラ防止規程を中心とする就業規則の見直しが必要となるはずです。
パワハラ対策については関係がないという企業は存在しないので、年内に一定の進捗を目指して具体的な対応が必要でしょう。
 
 
 

 
 
 
今回、『企業実務』(日本実業出版社)10月号に、職場のパワハラ防止策について寄稿しました。
内容としては、パワハラ防止法の要について簡潔にまとめ、「ハラスメントに該当する行為」や「今からできる具体的な防止策」について、実務上のポイントを紹介しています。
見開き2ページで簡単にポイントをまとめていますので、気になる方は手に取ってみてください。
 
 
 
「中小企業に求められる 職場のパワハラ防止策」 (『企業実務』2019年10月号)
https://www.njh.co.jp/accountant/magazine/