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ナデック通信

2019年
6月号

改正派遣法の同一労働同一賃金への準備は? ~東京・名古屋・大阪登壇~

来年4月から施行される改正派遣法について、質問をいただくことが多くなってきました。中心的な内容は同一労働同一賃金(不合理な待遇差を解消するための規定の整備)ですが、派遣法については大企業・中小企業の別なく一律に施行されるため、今年の夏以降は実務対応も待ったなしが近づいていくことになります。
このテーマについては春先から登壇が続いており、地元三重から始まって、東京・名古屋開催があり、先日大阪会場が終わりました。全国をまわっていると、もちろん地域特性はありますが、月日を経るごとに参加者のみなさんの関心が確実に高まっていると感じます。

東京会場
 
 

大阪会場
 
 

名古屋会場
 
 
セミナーでは、3月29日に公開された労働者派遣事業業務取扱要領(更新版)と不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアルについて、1時間半ほどでコンパクトで解説しています。各会場では参加者の方々に業務取扱要領やマニュアルについてどのくらい理解されているかを聞いていますが、「難しい」「ボリュームが多くて理解できない」といった声が多いと思います。
今後労働局などでも順次説明会などが開催されることになりますが、今回の改正派遣法は今までにないほど複雑で実務対応への準備も困難が予想されるため、少しでも早い情報収集と派遣元および派遣先での調整が求められることになるでしょう。
派遣元は来年4月から「派遣先方式」「労使協定方式」を選択することが必要ですが、いずれも選択しない場合は自動的に派遣先方式が採用されることになります。
セミナーなどでは、「2方式のどちらを選択しますか?」とお聞きしていますが、ほぼ必ず労使協定方式の方に手を上げる人が多いです。その理由について尋ねると、「派遣先との関係でやむを得ない」といったご意見が返ってきます。
私ももともと派遣業界出身で、17年くらい派遣会社の支援を続けているので、そのような現場感はよく理解できますが、同時に労使協定方式を選択した場合の本当の意味やリスクをしっかり理解している人は少ないように感じます。
改正派遣法の2方式は、もとより派遣労働者の就業の実態やキャリアアップの方向性によって判断されるべきですが、法律上選択肢が与えられている以上、いずれの選択についても正確な知識を得ておくことが必要だといえるでしょう。
業務取扱要領やマニュアルに基づいて2方式の具体的な内容の解説を行うと、温度差はありますが驚くほど「知らなかった」「やっと意味が分かった」といった声をいただきます。6月の段階では、まずこの夏以降に向けて正確な知識・情報を得ておくことが何より肝要だと思います。
その上で、派遣先方式の場合でも、労使協定方式を選んだ場合でも、具体的に取り組まなければならないフローがあります。今回の改正派遣法は、現実的には今までの改正内容以上に実務に与えるインパクトは大きいといえます。
派遣法単体ではなく「働き方改革関連法」のパッケージとして改正されたため、平成24年や27年の改正と比べるとまだまだ注目の度合いは低いですが、派遣事業全体のスキームを揺るがしかねない大きな改正になることは間違いありません。
 
 
 
 
 
 
 
今年から来年にかけての実務対応のタイムスケジュールについては、以下のような例が考えられます。まさに来春に向けて今年の夏・秋以降の流れが大切だといえるでしょう。

2019年春まで・・・改正内容の正確な把握、方式の選択
                  
2019年6月~7月・・・職業安定局長通知による「一般賃金」の公表
                  
2019年夏・・・具体的な賃金テーブルの整備、賃金以外の待遇の把握
                  
2019年秋・・・派遣先への説明と派遣料金などの調整、就業規則の改正など
2020年春・・・派遣先からの情報提供、労使協定の締結、派遣社員への説明など

 
 
ひとまずは6~7月に公表される職業安定局長による「一般賃金」を受けて、来春に向けての流れが加速していくことになりますが、それまでに少なくとも社内での情報収集や討議を経て、改正内容の把握や2方式の選択は完了しておく必要があるでしょう。
私たちも今後各地で最新情報をお伝えするセミナーなどを開催していく予定ですが、気になるテーマがある方はお気軽にお問合わせください。