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ナデック通信

2018年12月号

来年4月から施行の「労働時間の4つの上限規制」とは?

早いもので今年も師走です。平成最後の年の瀬ということもあって、今年は例年以上にせわしく感じますね。働き方改革のテーマもますます加速してきていますので、なおのことそのように思うのかもしれません。

秋から働き方改革と派遣法についてセミナーに登壇していますが、地元三重、名古屋、東京と回を重ね年の瀬が近づくにつれて、参加される方々の反応もさらに高まってきているように思います。

毎回セミナーの冒頭で、①有給休暇、②時間外労働の上限規制、③同一労働同一賃金のうち、最も興味のあるテーマについて挙手していただいているのですが、派遣法を中心に派遣会社の方々にお話ししても、驚くほどそれぞれのテーマが拮抗しているように感じます。

それくらい来年4月から施行の有給休暇や上限規制のテーマは、待ったなしの喫緊のテーマですね。これは業種や業態、地域を問わず全国的な共通項なのだとつくづく思います。

 

有給休暇については10月号でも触れましたので、今月は時間外労働の上限規制について紹介したいと思います。上限規制については、各種のメディアでも特集されたり、全国津々浦々でセミナーが開催されているので、基本的な知識は仕入れているという人も多いと思います。

しかし、4つの上限規制のルールは実際にはかなり複雑です。単純に知識としては頭に入っているつもりでも、いざ実務対応となると混乱してしまったり、4つにルールが複雑入り交ざった場合の対応が分からないという人も少なくありません。

そこで今回は最近のセミナーなどで質問が多い点なども踏まえて、「労働時間の4つの上限規制」について、分かりやすく整理してみたいと思います。

 

(1) 「年720時間以内」のルール

「年720時間以内」は、年間の労働時間の総枠についてのルールです。特別条項を発動しても破ることはできません。
今までの限度基準告示では、36協定による時間外労働は月45時間以内、年36時間以内という規制にも、特別条項による月45時間を超える月は年6回以内という規制にも、上限は明確に定められていませんでした。
特別条項の場合の年6回については実質的に上限がなく、俗に「青天井」といわれました。年720時間が1つの目安とされましたが、明確な基準といえるものではなく、現実には多くの会社でそれを上回る上限時間が設定されてきました。
改正後の年720時間の上限規制は、これを上回ったら違法となる基準です。年720時間の上限は、36協定(特別条項)の締結期間で判断することになります。4月1日から翌年3月31日までの協定であれば、この間の時間外労働の合計が720時間に収まる必要があります。

 

(2) 「2~6か月を平均して80時間以内」のルール

「2~6か月平均80時間」は、改正法の上限規制のルールの中で最も複雑です。ある月の残業時間が上限規制に収まっているかどうかについて、直近2~6か月それぞれの「平均」で判断します。
2~6か月平均80時間のルールについて、実際にカウントするのはかなり大変です。ある月を基準として、直近の2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の時間外・休日労働について平均を計算していき、すべてのパターンで「80時間以内」に収まっている必要があります。
2~6か月平均80時間のルールは、1人分を計算するだけでも大変ですが、実際には対象となるすべての労働者について計算しなければなりません。毎月このような計算を実施していくには、実務担当者の負担は相当なものになるでしょう。

 

(3) 「月100時間未満」のルール

「月100時間未満」は、時間外労働も休日労働も含めてのルールですので、絶対的な上限規制だといえます。月100時間以上の時間外・休日労働は、1か月でも発生した段階で上限規制の違反となります。
労災の認定基準でも、月100時間は1回でも過重労働と評価されます。2~6か月の平均値で判断する80時間が“イエローカード”だとするなら、まったくレベルが違う“レッドカード”だといえるでしょう。

 

(4) 「月45時間超は年6回まで」のルール

「月45時間超は年6回まで」というルールは今までと変わりませんが、今後は法律に格上げされ、強制力を持つことになります。36協定を締結することにより許される時間外労働は、月45時間、年360時間です。それを少しでも超える月は、「年6回まで」の対象となります。
「月45時間超は年6回まで」のルールは、当然ですが36協定の締結期間に適用されます。1月から12月までの協定であれば、特別条項はその1年の間に6回(月)まで認められます。
それぞれのルールが複雑に絡み合っていて分かりにくいですが、「年間の時間外労働が720時間以内か?」→「月の時間外労働が45時間を越える月が年6回までか?」→「繁忙月の時間外・休日労働が100時間未満か?」→「繁忙月の時間外・休日労働が2~6か月平均80時間以内か?」という順でチェックするとよいでしょう。

 

 

なお、「4つの上限規制」は上の表で整理すると分かりやすいです。私はセミナーなどでもこの図を使って説明していますが、複雑な仕組みをある程度理解していただきやすいようです。「通常の36協定」と「特別条項」、もともと「限度基準告示」からきている考え方と、「労災認定基準」からきている考え方とに分けて整理すると、すっきり理解できると思います。

 

なお、しばしば質問をいただきますが、「720時間以内」「月45時間超え年6回」は“時間外労働”だけなのに、「2~5か月平均80時間」「月100時間」は“時間外労働”も“休日労働”も含むというルールが、複雑すぎて分からないという意見もあります。

ある意味当然の声だと思いますが、この図で整理すると、そもそも「限度基準告示」からきているものと、「労災認定基準」からきているものの違いということで、理解しすいと思います。今後実務で迷ったときは、参考にしていただきたいと思います。

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