春だからこそ、自分の葛藤との闘い方を考えよう!
今回は、落ち込んだときの気持ちの挽回の仕方について、考えてみましょう。
4月は新たな門出の季節です。
ピンク色に染まった桜の下で、出会いにワクワクし、思いも新たに挑戦する春。
でも、そんな季節だからこそ、プレッシャーの中、頑張っても、頑張っても、結果が出ないときがあります。
やること、なすことが、すべて裏目に出てしまったり、気持ちが伝わらずに、誤解や偏見の目にさらされることもあります。
そんなときは、何ともいえない、やるせない気持ちに襲われるものです。
そんなとき、どう考え、どう振舞うか、ということが、ときとして人生さえ左右しかねないといっても、いいすぎではないでしょう。
人間、調子のよいときは、放っておいても結果がついてくるものです。
好循環のときは、油断せずに、それを謙虚に受け止める気持ちが大切。
それさえあれば、大きな問題が起こることはありません。
逆に、問題になるのは、悪循環を抱えているとき。
スポーツでもそうですが、スランプをいかに切る抜けるかということは、その人の命運を分けるほど、重要なことになります。
悪循環にメンタル的な要素が加わると、さらに悪い流れが加速され、良からぬ方向へと流されてしまいます。
落ち込んだとき、悪循環に襲われたときは、まず、次の3点に気をつけるべきです。
その1
「いま、自分が置かれている状況、立ち位置を冷静に理解する」
→ 悩みを抱えているとき、もっともやってはいけないのは、冷静さを失うこと。
でも、冷静にふるまうのは、意外と難しいことでもあります。
そこで、第三者の目線で、いまの「自分」をとらえてみましょう。
どこが問題で、何に悩んでいて、どこにいるのか?
これらを冷静に紙に書き出すだけでも、意外とメンタル的には、落ち着くものです。
冷静に、いまの「自分」を知るためには、いったん「自分」から離れる必要があります。
いまの「自分」の状況に直面しているのが、○○さんや、△△さんだったら、どう事態に向き合っただろうか? 想像してみましょう。
意外なヒントが、見え隠れするかもしれません。
その2
「苦しい中にあっても、可能性のあること、光が見えそうなことを具体的に考える」
→ 悪いときに、悪いことばかり考えると、ますます気持ちが萎えてしまいます。
多少強引でも、できるだけ、良いこと、嬉しいこと、美しいこと、可能性のあること、光が見えそうなことを考えましょう。
悪い状況にさらされている「自分」にも、必ずプラスの要素があります。
それなりに食事をし、睡眠をとり、交友関係を持ち、人間的な生活を送っているかぎりは。
伝記に登場するような偉大な先人たちは、いまの「自分」よりも、もっともっと苦しく厳しい状況に直面しても、なおかつ、夢を追い求め、理想を燃えていたことを思い出しましょう。
偉大な先人たちは、どんなに苦しい中にあっても、小さな可能性のカケラを見逃さず、あきらめず、光に向けて行動することを止めなかったからこそ、ドラマを描くことができました。
やるべきことは、状況の厳しさを嘆くことではなく、一片の可能性をしっかりと見い出し、前向きに挑戦し続ける心を持つことです。
その3「いま直面している状況とは違った方向性、選択肢を真剣に模索する」
→ 長い人生、ひとつのものごとの可能性が潰えたからといって、人生そのものの価値が損なわれることはありません。
直面している状況について、必要以上のこだわりや愛着がないか、思い返してみましょう。
そして、自分の持っているたくさんの「引き出し」を、もういちど全部ひらいて、中身をぶっちゃけてみましょう。
思った以上に、色とりどりの分野や成果が詰まっており、いままで、さまざまな経験をしてきたことを、あらためて痛感するでしょう。
これらが、すべて自分の「財産」です。
この「財産」を無視して、目の前の戦いだけに挑むことを、いったん止めてみたらどうでしょうか。
そして、いままでとは違った方向性、選択肢を真剣に模索しましょう。
無責任に聞こえるかもしれませんが、多くの場合、「こだわり」を捨てた瞬間、新たな可能性が顔をのぞかせるものです。
いったん違う方向性を選択したとしても、のちのち、本来の目標に立ち戻ったならば、結果的には満足できる人生ではないでしょうか。
また、このような覚悟を決めたならば、いまの局面を打開するための方法も、ひらけてくることがあるものです。
なぜ、こんなに一生懸命やっているのに、なかなか良い結果が出ないのか?
なぜ、こんなに真剣にやる気を持っているのに、採用してもらえないのか?
こんな悩みを抱える人は多いものです。
私も、かつては幻滅することも多かったものです。
こんなときは、どうしたら前向きな気持ちになれるのでしょうか?
答えは、はっきりしています。
ずばり、相手の立場に置き換えて考えてみること。
そして、全体の状況から、自分の思いが通らない理由を考えること。
言葉にしたら、すごく平凡なことです。
そんなのは、当たり前のことと思うに違いありません。
でも、当たり前と笑わずに、冷静に自分を振り返ってみませんか?
相手の気持ちを察することはあっても、自分と相手の立場とを置き換えて、完全に相手の視点から自分を見ることは、意外と少ないものです。
知らず知らずのうちに、「自分の立場」が固定観念として、しっかりと根づいてしまっているものです。
相手の立場から自分を見るのは、何も相手が正しいから、そうするのではありません。
相手のことを気遣うことが大事だからという理由だけで、そうするわけでもありません。
もちろん、自分自身のため!
相手の視点から自分を見ると、自分の客観的な姿が認識できます。
感情をいったん横に置いて、冷静に自分の長所と短所を掴むことができます。
ひいては、自分の考えに固執せずに、思考や想像の幅を広げることができます。
たとえば、「働く」ということでいえば、会社に認めてもらって、よい給料をもらいたいという視点だけで世の中を眺めてしまうと、自ら自分の可能性を狭めてしまいます。
もし、逆に自分が「経営者」だったらという視点で、今の自分自身を見つめることができれば、大きく視点が拓けることになります。
自分は従業員なのに、経営者の立場を考えるなんて“損”だと思ってはいけません。
経営者の立場に立ってものを考えるのは、もちろん自分自身のためです。
「もし、自分が経営者だったら、○○については、××したい」
という発想ですべてのものごとを考えることができれば、その段階で間違いなく一歩リード。
自分自身の頭の中に経営者の感覚を植えつけて、「バーチャル経営者」になれば、間違いなくあなたは評価されます。
この感覚をつかみ取ることが大切ですね。
私も、その昔、派遣社員であった頃、生意気にもひそかに「バーチャル経営者」をやっていました。
これは、本当に効果があります。
意識と発想を少し変えるだけで、必ず相手の見方が変わります。
一介の派遣社員の立場で、経営者や管理者の苦悩をありありとつかみ取ることができる。
あたかも、自分自身が経営者であるかのように、悩みを実感することができる。
こんな感覚を持つだけで、勝負ありですね。
まわりからの評価が変わる以上に、自分に対する自分自身の評価が変わります。
そして、自分の中での毎日の葛藤が、少しずつ変わってくる。
自分自身の立ち位置を超えて、発想を変えたり、視点を変えることで、別の側面が見えてくる。
「今までは○○していたけれども、これからは××してみよう」
こんな「実験」ができるようになれば、もうこちらのものです。
もう、冒頭のような一面的な疑問は、影をひそめてしまうでしょう。
ここから、徐々に人生が好転していくはずです。
ということで、今回は昔のことも振り返って、働く人目線のコラムになりました(笑)
でも、経営者も、労働者も、本質は同じですよね。