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ナデック通信

2016年
5月号

連休明けは「労働者派遣事業報告書」のご準備を!

慌ただしい中に連休が終わったと感じている方も多いと思います。労働者派遣事業を営む会社にとっては、そろそろ「労働者派遣事業報告書」が気になってくる時期です。

昨年9月の派遣法改正によって、報告書の様式も内容も提出時期も大きく変更されています。従来2つに分かれていた報告書が一本化したことで、全7ページとなり記載項目も大幅に増えたことから、いっそう複雑に煩雑になってしまった感があります。

提出期限は6月30日ですが、場合によってはとても1日や2日で作成できるものではないため、5月のうちにある程度の準備を整えておくことが大切でしょう。報告書のうち5面までの「年度報告」については、ほとんどの会社で5月中に記載することができるため、以下の厚生労働省のサイトから早めに報告書をダウンロードして、疑問点等を整理しておいていただきたいものです。

労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式・各種報告書
 
 
報告書の主な記載事項については、以下のとおりです。
 

 

【第1面・事業の概要】
・大企業、中小企業の別
・産業分類
・職業紹介や請負事業の実施
・親会社の内容、請負事業の売上高

【第2面・雇用実績と教育訓練】
「派遣労働者数等雇用実績」(実人数)
・報告対象期間末日現在
・通算雇用期間(1年以上、1年未満)
・無期雇用、有期雇用

「労働者派遣契約の期間別件数」(延べ件数)

「主な派遣先事業主」

「労働安全衛生法59条の安全衛生教育」
・教育の内容(安衛法、規則の該当番号)
・教育の方法(座学、実技)
・実施主体(事業主、派遣先、教育機関、その他)
・受講した派遣労働者数
・1人当たりの平均実施時間

「その他の教育訓練」 (安衛教育、キャリアアップ以外)
・有給無償で実施しないもの
・全派遣労働者に対して実施しないもの

「雇用安定措置の実施状況」
・派遣先への直接雇用
・新たな派遣先の提供
・派遣元での無期雇用
・その他の措置

【第3~4面・派遣料金、派遣労働者の賃金】
・業務別(日本標準産業分類の中分類)の派遣料金、派遣労働者の賃金(1日8h当たり)
・業務ごとの平均と全業務平均
・無期雇用、有期雇用ごとの内訳
・日雇派遣労働者の業務ごと、全業務平均
・マージン率等の情報提供の状況

【第5面・キャリアアップ措置】
・キャリア・コンサルティングの窓口担当者の人数 (社内、社外、職務経験あり、知見あり)
・キャリア・コンサルティングの実施状況(希望人数、実施人数、無期、有期)
・キャリアアップに資する教育訓練(訓練内容、対象労働者、実施時間、訓練方法)

【第6面・派遣労働者の実人数】
・派遣労働者の実人数(6/1現在)(1年以上、1年未満、無期、有期)
・業務別派遣労働者の実人数 (無期、有期)

【第7面・日雇労働者の実人数等】
・日雇派遣労働者の実人数
・日雇派遣労働者の業務別実人数
・過去1年以内に派遣されたことのある登録者(雇用されている者を含む)の数
・雇用保険、社会保険の適用状況(6/1現在)(1年以上、1年未満、無期、有期)

 
 
 
 
「報告書」については、4月23日に鈴鹿市文化会館で出版記念無料セミナーを開催しました。セミナーの冒頭で、参加者のみなさんに手を挙げていただきました。

「許可更新と事業報告書、どちらのテーマに興味がありますか?」

結果は、圧倒的に後者でした。報告書は、改正によって従来の様式は一本化されて、とても複雑になり、内容や項目も大幅に追加されました。
 
 
 
そして、報告書の提出を怠った場合の行政処分についても、先日、「関係派遣先割合」未提出の事業者約600に対して、許可取消し(事業廃止)命令が下ったことは、記憶に新しいところです。

これはあくまで本体の報告書ではなく、それほど作成が難しくない「関係派遣先割合」でしたが、1日で600弱の事業所がいわば「退場」を命じられたのです。

「今後の事業報告書のことを考えると頭が痛い」という方が多いのも、無理からぬことですね。
 
 
 
また4月27日には、東京上野で、「改正派遣法に対応した許可・更新申請事業報告書等の事業開始後の書類作成実務」(中小企業福祉事業主催)に登壇しました。

改正派遣法についてはさまざまな書籍が出され講演会が開催されていますが、【書類作成実務】に絞った解説というのはそれほどされているわけではありません。
 

 
許可申請については都道府県ごとに「ローカルルール」がありますし、改正法の「報告書」についてはすべての事業所が初めて経験する手続きでもあることから、なかなか踏み込んだ話が難しいという面もあったと思います。

率直にいって少し大変なテーマでしたが、全力で取り組ませていただきました。

演習については「労働者派遣事業申請書(様式第1号)」「労働者派遣事業計画書(様式第3号)」「キャリア形成支援制度に関する計画書(様式第3号ー2)」に絞って約1時間実施し、講師の「記入例」に従って解説もしました。

そして、懸案の「労働者派遣事業報告書(様式第11号)」についても残り時間でできるかぎり解説させていただきました。

私もそれなりに登壇を経験していますが、20人近くもご質問があり終了後1時間近くも真剣勝負の「個別質疑」というのは初めてでした。

私自身も改めて勉強になったり新しい視点がいただける点がとても多かったので、本当に貴重で学びの多い経験をさせていただいたと思います。

新様式の「報告書」については、本当に事前準備が肝要だと思います。

実務上の疑問等がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。