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ナデック通信

2014年
7月号

社長と異なるカードを持つセカンドオピニオンとは?

社労士として開業して干支がひとまわりすると、業務のあり方も変わってきます。
最近は労務顧問を中心に、いわゆるセカンドオピニオンが増えてきました。
私の役割は、それらのお客様のご相談にどっぷりと浸かることになります。
この場合、顧問社労士とはいいつつ、労務面ばかりかその会社の経営全般から社長の個人的なご相談ごとまで、一手に引き受けることになります。

セカンドオピニオンというのは、「主治医」に相当する専門家の存在を前提に、そのアドバイスや実務対応を補ったり、また別の専門分野の切り口からサポートするのが役割です。
よくいえばメインの専門家がいた上での社外のご意見番なので、比較的自由な立ち位置に立って、客観的第三者的に近い目線からアドバイスします。
したがって、その意見が通ることもあればそうでないこともあるというのが、セカンドオピニオンの特徴です。
私は、お客様と向き合うときは基本的に「聴き役」であることを大事にしていますが、最近は歯に衣を着せず意見するポリシーを強く持っています。
特にセカンドオピニオンの場合には、社長が課題としているところに大胆に斬り込むことも多いです。
普通の社労士であればテーマにならないような労務以外のトピックについても、広範に取り扱います。
ほとんどの経営者は孤独ですから、そうすることで感謝されるケースはとても多いです。
 
 
 
つくづく思うのは、社長が私の意見とは違った結論を出したときこそ、私の存在意義が高まるということです。
社長はAという選択肢を検討し、最終的にそれを選択したとしても、私はあくまで選択肢Bの立場にいる。
もちろん、社長の最終判断を確実に受け入れ、しっかり尊重しますし、決定したものに関して野暮な意見を繰り返すことはしません。
それでも、あえて私は対案を推した立場でありつつ、あくまでセカンドオピニオンとしての信頼を維持しているのです。

こう見えても、ある種の直観力とか先見力とか大局観、そして人間洞察には自信があります。
経営というのは常に最善の選択肢がひとつしかないほど単純ではないし、社長というのは自分の意見に反するご意見番の存在を認めないほど単調ではありません。
多くの場合、会社の立場に立ってあえて今回は異論を唱えたセカンドオピニオンの存在を本音では重宝しています。
異なる選択肢を勧めて、諸般の事情からその道は選択しなかったとき、逆に社長の胸中を誰よりもバランス感覚を持って理解できる立場に立てるわけです。

そこで、あえて異なるカードを勧めたにも関わらず全幅の信頼を寄せる社長の期待には、何よりしっかりお応えするのが私の任務となります。
この関係は、いっけんイビツなように見えるかもしれませんが、経営の現場には意外とよくあることです。
私は、社長の期待に倍の結果で応えるよう、さらにご意見番に徹することになります。
ある意味、セカンドオピニオンの真骨頂ですね。
 
 
 
私自身も二十代から小さな会社の経営者をしていますし、そもそも脱サラ経営者の長男でした。
経験則も含めて、社長という生き物のリアルな特性には、それなりに詳しいと思います。
意思決定業である経営者は、いかに苛酷な状況にあっても現実に結論を出していかなければなりません。
そこに異なったカードを持ってもなお長期的な信頼関係で結ばれたご意見番の意味があるのだと思います。

 
 
 
いかに結論を出すかが経営者の役割なら、第三者的に長期的な視点から提言するのが外部専門家の役割です。
当座の結論を超越した固い信頼で結ばれた関係というのは、客観的にみても本質的に貴重なものです。
どこまでも信頼してくださる社長がいる間は、私もどこまでも自分の役割をまっとうしていきたいと思います。