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ナデック通信

2014年4月号

新年度だからこそ、「残業削減」による経営改善の真の意味を考えよう!

先日、仕事を終えてから四日市文化会館で野間田鍍金社長の島信司氏の講演をお聴きしました。気になるテーマは、「年間休日129日、残業ゼロでも増益経営を実践している社長が語る」。社労士として日々中小企業の労務管理に関わっており、最近は特に労働時間や残業に関するご質問やご依頼が多いこともあり、とても興味津々でした。

もともと現場上がりの工場長だった島氏は、前任社長が退任して社内が大混乱し、取締役の誰もが社長就任を躊躇したとき、自ら社長に名乗りを挙げたといいます。就任後、まず最初に取り組んだのが、残業ゼロの経営でした。過剰な接待交際や重役出勤が常態化していたマンネリ経営から脱却して、現場で働く人の満足度を高める経営へとベクトルを変えたのです。

先代からの古参幹部に引導を渡してまで実行した大改革は、すぐには実りませんでした。覚悟していたこととはいえ、売上も半減、従業員も半減、給与も減少して大幅な業績ダウン。さらに会社の低迷を危惧した従業員の退職も相次ぎ、残業ゼロを目指した挑戦は、緒戦にして経営の危機を迎えてしまいました。

ところが、こうした負のスパイラル状態は一年もかからずに脱し、それだけでなく会社の業績も復調に転じたのです。今まで残業代を当てにしていた一部の従業員は会社を去っても、本当にモチベーションの高い従業員にとってはかえって働きやすい環境が実現し、数年後には従業員も取引先も豊かになれる社風を根づかせることに成功したのだといいます。

島氏によれば、残業ゼロ経営によって実現したのは、次の4点です。①無遅刻・無欠勤、②クレーム減少、③労災の減少、④社風・社内風土の改善。時間に余裕ができ、心に余裕ができ、限られた時間でレベルの高い仕事をやり遂げることで、さらには、①人生目標について考える、②価値観と真剣に向き合う、③資格を取得する、④会社の経営理念と向き合うことが可能になったといいます。
 
 
 
今はあらゆる場面で残業を減らすことが求められています。残業が増えると過重労働による労災リスクも高まり、残業代の負担は経営にも重くのしかかります。残業の削減は、経営者にとっても従業員にとってもメリットが大きいので、私たち社労士もしばしば経営者から相談を受け、いろいろな角度からアドバイスを行います。

残業ゼロを目指す目的は、通常はコンプライアンスやリスクマネジメントの問題としてとらえられがちですが、必ずしもそれらのみではありません。むしろ、より本質的には、別の次元の視点が必要だといえるでしょう。島氏の場合、当初は会社規模が半分になる覚悟で挑んだ真の目的は、真の人材育成と経営計画を実践することにあったといいます。

そもそも会社が事業を行うのは事業目的を達成するためであり、その本質には常に顧客満足の視点があります。顧客満足を実現するためには、お客様と向き合う従業員が常に能動的でイキイキしていることが大切です。意識においても行動においても質の高いサービスや労務を提供するためには、従業員自らがある種の自己充足感を感じている必要があります。

その意味では、従業員満足こそが顧客満足を実現するための本質であり、突き詰めて考えるなら、経営者は中長期的に従業員の働く環境やキャリア形成について満足度を向上させる努力を払ってこそ、真に顧客満足が実現するのだといえます。

成功する経営者に必要な絶対条件は強固な信念の力ですが、それは内に秘めているだけではまったく不十分で、明確な経営理念として言語化しアウトプットした上で、しっかりと従業員と共有していく必要があります。

つまりは、従業員が自らの人生目標について考え、仕事をめぐる価値観と向き合い、資格取得を目指すなどして常に研鑽を重ね、会社の経営理念を共有する努力をすることが大事です。これは、作業時間を増やしたり、量的な経験を重ねることで得られるものではなく、従業員が心に余裕を持って、自己充足感を感じ、自らの意思で妥協なく目標や価値と向き合うことで、じわじわと得られるものです。

従業員にこうした状況が訪れると、会社の経営理念は無理なく定着し、社風は自然に健全な企業風土に近づき、結果として従業員満足の実現によって、顧客満足度も飛躍的に向上することになります。その第一歩として、行き過ぎた残業の削減が必要なことは、いうまでもありません。

経営理念が明確で、従業員満足の向上を目指す限り、しっかりと目標を設定して残業を減らすことによって、結果的に企業の業績は良くなっていくのです。残業ゼロの経営をめぐるテーマの奥深さと実践には困難がともなうものですが、だからこそ、それを目指すことの価値もまた大きいのです。

新年度、労働時間の管理や実務に触れる機会があったならば、ぜひ複線的なものの見方をしていく視角を持った上で、こうした残業ゼロを目指す経営の本質についても考え、具体的に一歩でも実践してみる機会をつくっていきたいものです。

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