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ナデック通信

2013年8月号

退職勧奨のボーダーラインとは?

毎日のように労務相談を受けていると、時代の変遷によってトラブルの内容も変化していることを、つくづく感じます。

数年前までは、一番大きな労務トラブルは、残業代の問題だといわれていました。

もちろん、今でも残業問題は相変わらず深刻なテーマですし、それに関する相談もたくさんいただいています。

一方で、変化も出てきました。

非正規社員が増え、景気にじわじわと明るい兆しが見え始め、人事労務担当者の意識も高くなってきたことで、幸いなことに残業問題の広がりはやや沈静化しています。

その代わりというわけではないですが、企業をめぐる人材の「入り口と出口」に関わる問題は、ますます深刻になってきている気がします。
 
 
 
先日登壇させていただいた三重県経営者協会主催のセミナーでも、ずばり退職・解雇・試用期間中の対応等について、お話ししました。

参加者された50人以上のみなさんが、意識を集中されてメモを走らせる姿には、お話しさせていただいた立場からも、本当に頭が下がりました。

とりわけ退職勧奨とメンタルヘルスのテーマについては、ほとんどの実務家のみなさんが関心をお持ちでした。

退職勧奨の実務、どこまでなら許されるかのボーダーライン・・・。

この点に強い関心を持つ方は、本当に多いですね。
 
 
 

7月25日 三重県経営者協会 定例会
  
 
 
会社が従業員に自主退職を促す退職勧奨を行うことは、原則的には有効です。

何かと労働法の縛りが多いのが使用者側ですが、これは会社側に許された唯一のリストラ手法だともいえますね。

裁判所の判断も原則的には寛容であり、ロックアウト型の退職勧奨も有効だとされます。

ただし、当然ですが騙し、脅し、執拗過ぎると違法になります。

例えば、会社が「このままでは懲戒解雇になるぞ」と発言した場合、懲戒解雇が無効になると退職届の効力も否定されます。

会社としては、むやみに「懲戒解雇」をほのめかさないことが肝要ですね。
 
 
 
会社が「その場で強引に」サインさせると強迫にもなりますから、退職届を提出させる際は慎重な対応が求められます。
→徳心学園事件 横浜地判 平7.11.7

また、退職勧奨が行き過ぎた長時間、回数の場合には無効になるケースもあるので、「長時間に渡る勧奨」は要注意です。
→下関商業高校事件 最一小判 昭55.7.10

その他、従業員に応じない意思が明確な場合は、会社側の行為が無効になってしまいますので、いったん退職勧奨の流れを打ち切るなどの対応が求められます。

その上で、ただ単に勧奨するだけでなく、同時に「退職者に有利な条件」を提示する努力も大切になりますね。
 
 
 
退職勧奨については、従業員から錯誤による無効が主張されるケースもありますので、退職勧奨にあたって従業員側に「勘違い」が生じることがないよう、言葉遣いや態度には十分に注意していきましょう。

会社側は、単なる言い間違え、うっかりミスでは通用しません。
 
 
 

 
 

民法 第95条 (錯誤)

意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
 
 
 

昭和電線電纜事件 (横浜地判 平16.5.28)

原告は本件退職勧奨等により、被告が原告を解雇処分に及ぶことが確実であり、これを避けるためには自己都合退職をする以外に方法がなく、退職願を提出しなければ解雇処分にされると誤信した結果、本件退職合意承諾の意思表示をしたと認めるのが相当であるから、本件退職合意承諾の意思表示にはその動機に錯誤があったものというべきである。(中略)原告の本件退職合意承諾の意思表示には法律行為の要素に錯誤があったこと(ママ)なる。

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