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ナデック通信

2012年
7月号

「できる社長は、従業員にも、同業者にも好かれる!」

先日、いくつかの顧問先にインタビューに行ってきました
そのうちの一社、某業界の老舗企業の社長。
業界の伝統ある企業で、何十年間に渡って第一線で活躍され、会社のトップに立たれる方の言葉は、一言ひとことが重いですね。
 
社長というと、なにかとカリスマ性とか、リーダーシップが求められる世の中です。
若くして社長になった人や、自分のキャラクターを売りにしている社長などは、かなり無理をされているようなきらいもあります。
世の中には、サラリーマン経験や挫折経験の少ないお坊ちゃん社長も、やはりいらっしゃいます。
 
その点、この社長のお話しには、本当に感動しました。
とにかく慎ましさと内なる力強さが併存されていらっしゃる人。
少し場を共有するだけで、「この人と一緒に仕事をしたい」と思えます。

 
「自分の意見なんていうものは、5分の1くらいしか言わない」。

こう力説されていたのが、印象的でした。
 
・自分が分からないことは絶対に言わない。
・各人の専門にはむやみに踏み込まない。

いっけん地味ですが、人を育てる上で大切なエッセンスなのだと思います。

経営トップというのは、現場の自発性を引き出す環境を整え、長期的に社員をやる気を持続させていくことが使命。
いくら自説を貫き通しても、斬新なアイデアを実行しても、社員への求心力を維持して、長い目で見て部下を成長させる力がなければ、意味がありません。
その点、この社長のポリシー、そして社風は素晴らしいと思いました。
 

誰よりも燃えたぎる想いがあるからこそ、どんどん仕事を部下に任せ、一人ひとりの意見を聴き、自分の意見は5分の1におさえる。
だから、社員が定着し、成長し、社風が研ぎ澄まされ、ひいては会社が成長するのです。
目先のカリスマやリーダーシップがもてはやされる風潮とは、やはり冷静に一線を画されていると感じました。

 

また、しばしば経営者の方の集まりにお誘いを受けますが、社長が3人以上集まると、必ず地元の話、そして同業者の話になります。
こんなとき、社長というのは、ふたつのタイプに分かれますね。
 
ひとつは、地元でどんどん人脈を広げていって、多くの同業者とも仲良くしていくタイプ。
もうひとつは、自社の利益になりそうな人脈かどうかを見極めて、お金の匂いがしない関係は断ち切るタイプ。

 

前者は、いわゆる「誰からも好かれる」タイプで、温厚で包容力がある人が多いですが、情に厚い分、ビジネスでドライな成果を残すことが難しい人もいます。
後者は、田舎ではなかなか受け入れられがたいキャラな分、苦節が強いられるものですが、行動力と実行力を前面に出して、他を圧倒する成果を残す人もいます。

 

ある社長は、こんなふうに語ります。
 

「私は、ある意味、この業界に助けられ、業界に食わせてもらっていると思っている。
だから、お客様への感謝の思いは尽きないし、従業員への愛情は人一倍持っているが、そのバックグラウンドには、この業界がある。
同業の先輩には、いろんな場面で助けてもらったし、私も後輩にできるかぎりのことをしてきている。
もちろん、ライバルどうし、生き残りをかけて競いあうのは当たり前だが、相手をつぶして自分が報われることがいいと思ったことは一度もない。
業界人として、ライバルからも慕われる人間になってこそ、この商売をやってきてよかったといえる瞬間だと思う」。

 

本当に、そうだと思いました。
若気の至りといいますが、若い頃や独立したての頃、勢いに乗っているときは、「ライバルを蹴落としてでも」と思ったりしがちです。
まずは自分が勝たなければ、稼がなければ、従業員への責任がある・・・といい聞かせたりもします。
でも、昔からの言葉ですが、覇道と王道とは、まったく違います。

毎日いろいろなタイプの経営者とお会いしていて、確信を持っていえること。
それは、デキる社長は、地元の同業者にも慕われるということ。
そして、その類型の人ほど、長期的に安定して会社を活性化させることに成功しているということ。

論語にもいいます。

「仁を問う。曰く、仁者は、難(かた)きを先にして獲(う)るを後にす。仁と謂うべし」。

 
仕事がら、労務管理とか社員教育に関わる機会が多いのですが、その前提として社長のポリシーや社風がとても大切なことを痛感しています。
 
「こんな業界(あるいは地域、規模)には、どんな社長がいるの?」
社労士として、こんな疑問に応える場面も増えてきています。
 
実際の事例をしめして、その上で企業を支援していく。

地元の企業に貢献していくためのスタンスにしていきたいものです。

「ちょっと聞いてみたい」という方、お気軽にお声掛けください。