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ナデック通信

2016年
10月号

特定労働者派遣事業から許可制への移行について!

労働者派遣法が改正されてちょうど1年が経ちましたが、最近も改正法対応やこれからの派遣事業のテーマについて、登壇させていただく機会が続いています。
 
 
 

9月17日 兵庫県社労士会姫路支部 講演
 
 
 
9月17日には、兵庫県社労士会姫路支部様で、「労働者派遣法改正と今後の社労士の関わり方について」お話しさせていただきました。

改正から1年ということで、改正法についてはもうしっかり周知されていますが、実務上直面する課題はまだまだ膨らんできており、さらに今後の改正を見据えた新たな動きも始まっています。

それらの展開を含めて、今起こっている再整理させていただいて、社労士の方々とともに考えさせていただく貴重な機会をいただけたことに、感謝しかありません。
 
 
 
 

9月24日 みえ企業成長塾 第44回 講演
 
 
 
9月24日には、自主開催の「みえ企業成長塾」の第44回として、「特定事業の許可制移行のポイント&これからの新たな派遣事業モデル」について、お伝えいたしました。

特定事業から許可制への移行については、これからの派遣業界の流れを左右する大きなテーマですが、同じ思いを持つ派遣会社さんどうしで、参加者の横のつながりを作っていただけたことも、今回のセミナーの特徴だったと思います。

このセミナーでは、所定のテーマについてはもちろんですが、これからの派遣法の改正の流れについての最新情報や私見を交えた予測についても、お話しさせていただきました。

このテーマは、おそらく来年になるとさらに緊急性、必要性が高まると思いますので、ご要望にお応えして続編も開催したいと考えています。
 
 
 
 
 
派遣法に関する取扱いの変更点としては、9月30日をもって、新規申請(特定事業からの申請以外)の場合の派遣事業の許可基準が変わっています。

昨年の法改正のときに、基準資産額1,000万円、現金・預金の額800万円以上等の「小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置」が置かれましたが、この配慮措置(資産要件の緩和)は、行政の見解によると以下の①②の趣旨を含んでいました。

① 改正法施行前から特定労働者派遣事業を営んでいた者が、円滑に許可制の労働者派遣事業に移行する

② 施行前に、新たに特定労働者派遣事業の実施に向け準備をしていた者が円滑に許可を取得できるよう一定期間配慮する

9月30日をもって改正法施行から1年が経過したことから、上記のうち②については配慮措置の対象から外されることになったのです。

したがって、小規模派遣元事業主についての暫定的な配慮措置(資産要件を軽減)は、改正前から特定事業を行っていた者についてのみ認められ、新規に許可申請を行う者には認められなくなっています。
 
 
 
 
 

資産要件  

小規模派遣元事業主については資産要件を軽減(暫定的な配慮措置)。 ただし、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律(平成27年法律第73号)附則第6条第1項の規定により引き続き行うことができることとされた常時雇用される労働者のみである労働者派遣事業を行っている者からの申請に限る。

①1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が10人以下である中小企業事業主(当分の間) ・基準資産額1,000万円 ・現預金額800万円

②1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が5人以下である中小企業事業主(施行後3年間) ・基準資産額500万円 ・現預金額400万円

 
 
 
 
 
現に特定労働者派遣事業を行っている届出事業所については、平成30年9月月29日までは基準資産額1,000万円以上、500万円以上といった「暫定的な配慮措置」を使うことがルール上は認められていますが、この取扱いについても現実的には日に日に厳しくなってきている実感があります。

全国の労働局の中にはそもそも配慮措置自体について相当に厳しい目線を持つ傾向もありますので、周到かつ万全の準備を経て申請を目指していく必要があるといえるでしょう。

また、特定事業の経過措置の期間はあと2年とはいっても、決算期によっては事実上あと1回の決算しか迎えることができない「ワンチャンス」の事業所もたくさん存在します。

健全な請負事業にスイッチするにしても現実的に相応の準備・移行期間が必要なことから、先は長いようで意外と平成30年はすぐそこだということを認識することが大切でしょう。

10月ということで今年も最終コーナーが近づいてきましたが、1日も早い改正法対応、コンプライアンス対策につとめていきたいものです。