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ナデック通信

2012年
2月号

ノルマ未達成、クレーム対応でも精神的に追い詰められたら労災に

精神障害の労災認定基準について」。

というと、なんだか小難しい話しのようですが、昨年末に労災かどうかを判断する基準が変わりました。

ご存じでなかった方も多いでしょう。

 

昨今、メンタルヘルス不調を訴える人が急増しています。

それにともなって、うつ病などの精神障害による労災の申請件数も増えてきています。

ところが、審査にかなりの時間がかかったり、基準があいまいだったりといった問題点がありました。

それらを改善するため、昨年12月26日に新しい認定基準がつくられたのです。

具体的な認定基準はこちら。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj.html

 

おもな内容をピックアップします。

  1. 労働者にどのくらいのストレスがかかっているか(心理的負荷)の評価表がつくられた。
  2. 今までは出来事そのものとその後の二段階で評価していたが、両方あわせて総合的に評価するようになった。
  3. 「極度の長時間労働」が具体的に「160時間」と定められた。
  4. 今までは6か月以内の出来事だけで評価していたが、セクハラやいじめの場合はその期間を超えて評価できるようになった。
  5. 今まではすでに発病していた場合は労災にはならなかったが、特に強い心理的負荷による場合は対象とすることになった。

 

今回つくられた判断基準の特徴は、なんといっても評価表です。

これは、心理的負荷のレベルに応じて、具体的な出来事を強、中、弱の三段階に分けたもの。

たとえば、「経営に影響する重大な仕事上のミスをし、事後対応に当たった」は、「強」。

「達成困難なノルマが課された」は、「中」。

「非正規社員である自分の契約満了が迫った」は、「弱」。

当然、「強」に近づくにしたがって、労災に認定されやすくなります。

 

しかも、「中」+「中」=「強」(または「中」)、といった合算的な評価がされることになりました。

「強」のレベルでなくても、「中」レベルがいくつか発生してしまうと、「強」という判断がされてしまうのです。

「中」には、「ノルマが達成できなかった」「顧客や取引先からクレームを受けた」「1か月に80時間以上の残業を行った」「配置転換があった」などがあります。

経営者としては、たまらないお話しですね。

ちなみに、「退職強要された」は「強」レベルになります。

 
もはや、「メンタルヘルスなんてうちには関係ない」「精神的な病気で労災なんて」とはいってはいられない時代になりました。

中小零細企業でも、同じことです。

小さな会社であればこそ、事前の予防がとても大切になってきます。

雇用契約の見直し、労働時間管理、就業規則の整備、心の健康診断、職長教育の実施など、やれることから取り組みたいもの。

万が一のことが起こってからでは遅いですし、お金だけで解決できるものでもありません。

 
とくに、「最近、悩みがちで元気のない社員がいる」とか、「精神的な病気で長期欠勤中の社員がいる」といった会社さんは、早急の対策が必要です。

私ども社労士などの専門家に、一度ご相談することをおすすめします。

 

また、次回の3月の「みえ企業成長塾」には、会社を守るメンタルヘルス対策の第一人者である森田司さんをゲスト講師にお招きします。

私も、社労士の立場から会社を守るためのヒントについて、ミニレクチャーでお話しする予定です。

関心のある方は、ぜひご参加ください。

https://www.kigyou-seityou.com/article/14250501.html