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自殺の電力会社社員 19日間の残業が150時間に

自殺の電力会社社員 19日間の残業が150時間に

 福井県にある高浜原子力発電所の運転延長に向けた審査の対応に当たっていた関西電力の男性社員が自殺し、長時間労働による過労が原因だったとして労災と認定されましたが、男性は今年3月からは東京に長期出張していて、亡くなる前日までの4月の残業も150時間程に上っていたことが分かりました。  労災と認められたのは関西電力の40代の男性社員です。男性は、高浜原子力発電所の1号機と2号機について、原子力規制委員会が行う審査の対応に当たっていましたが、今年4月20日に出張先の東京のホテルの部屋で自殺しているのが見つかりました。  関係者によりますと男性は管理職ですが、今年に入ってから1か月の残業が100時間を大幅に超えるようになり、2月には200時間程に上っていました。男性は関西電力・高浜原子力発電所の課長で、3月からは東京に長期出張しホテル暮らしをしていて、4月1日から自殺前日までの19日間の残業も150時間程になっていたほか、たびたび原子力規制庁に足を運んで規制委員会の審査会合に出席したり、担当者と折衝したりしていたということです。原発の再稼働に向けた資料の作成や、規制委員会への説明などの折衝を担当し、拘束時間が長く、重圧のかかる仕事をしていたとみられています。  このため、労働基準監督署は、自殺は、長時間労働による過労が原因だったとして、今月、労災と認定しました。高浜原発1号機と2号機は運転開始から40年を超えていて、運転期間を延長するためには、ことし7月7日の期限までに原子力規制委員会の審査の手続きを終えなければならない状況で、男性の業務の負担が増していたということです。 <原発の審査業務は規制の適用外>  原子力発電所の再稼働の前提となる規制基準の審査をめぐる業務については、厚生労働省の通達で労働基準法の残業時間に関する規制の適用を除外し、定められた労働時間を超えて残業をさせることができるようになっています。  対象になるのは、九州電力の川内原発や東京電力の柏崎刈羽原発など平成25年11月までに審査の申請を行った7つの原発についてで、これらの原発の審査に関する業務では、年間360時間以内に収まれば法律の基準である月45時間を超える残業が認められます。  一方、今回、労災が認められた関西電力の男性社員が対応に当たっていた高浜原発1号機と2号機は対象になっていません。原発の審査をめぐる業務を適用除外にする理由について、厚生労働省は「公益事業であり、集中的な作業が必要とされる」などとしています。  対象となる5つの電力会社すべてで労働基準法の残業時間の上限を超えて残業できるようにしていて、このうちすでに再稼働している九州電力の川内原発では、月に170時間まで残業を可能にしていたことがわかりました。労働基準法の残業時間の上限を超えて残業できるようにしていたのは、原発の再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に平成25年11月までに申請を済ませた北海道電力、東京電力、関西電力、四国電力、それに九州電力です。このうち九州電力は、佐賀県にある玄海原発の規制基準の審査を申請しているほか、鹿児島県にある川内原発は一昨年9月に審査に合格し、その後、再稼働しています。九州電力によりますと、玄海原発については445人を適用除外の対象として申請し、月に80時間まで残業できるようにしていたほか、再稼働した川内原発では292人を対象に月に170時間まで残業を可能にしていたということです。  また、四国電力では平成25年度以降、技術職の88人を対象に適用除外の対象として申請していました。一方、北海道電力や東京電力、それに関西電力でも労使で協定書を結び、適用除外ができるようにしていましたが、対象となる人数や残業時間については無回答や、「公表できない」などとしています。 【NHK NEWS WEB】 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20161020/k10010736271000.html?utm_int=detail_contents_news-related-manual_001 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20161020/k10010736991000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_016